負けず嫌い、メキシコ、友達

会社のオフサイトの思い出はたくさんある。だけど「ゆかってもしかしてめちゃくちゃ負けず嫌いじゃない?」って言われて、それを褒められたこと、一生忘れないだろうし、人生を大きく変えてしまうくらいインパクトがあった。

みんな負けず嫌いであることを隠さないし、でもそれは誰かを貶めるためじゃないし、負けると本気で悔しがるけど不機嫌になったりしないし、負けず嫌いにもこんな形があるのかと思った。私は負けず嫌い過ぎて卓球がめちゃくちゃ上達してしまった。

同僚のみんなはエンジニアとして超優秀なだけではなく、スポーツやら音楽やら他の面でも才能があって、それと比較して自分の平凡さに落ち込んだりもしたけれど、私ももっと色んなことが上手になりたいと、すぐにやる気がむくむく湧いてきたのは、負けず嫌いであることを褒めてもらえるような職場で働いているからだろうなと思う。

というわけでスペイン語の勉強を始め、コンピュータサイエンスの学位を取ることにした。私がこれまで勉強してきたのは負けず嫌いだったからで、これからも色んなことを上手になるために勉強していきたいと思えたのだ。

 

オフサイトの帰りにメキシコへ行った。いかに自分が思い込みで世界を捉えているかを思い知らされるような旅で、行く前は不安だったけど帰ってきたらメキシコがすっかり大好きになってしまった。これまで「メキシコ」は素通りする単語だったのに、好き過ぎてスペイン語を勉強し出すくらいには好きである。新しい言語を勉強したいともう何年も思いつつ、まずフランス語を勉強しなきゃいけないからと避けてきたけれど、毎日フランス語のノルマを終わらせたらスペイン語を勉強していいって決めたら勉強が捗ってよい。

 

メキシコでは『ロンドンならすぐに恋人ができると思っていた』の鈴木綾さんに紹介してもらったフランス人の女性に会った。フランス人で綾さんのMBA時代のクラスメイトということしか知らず、人見知りなので会う直前には一体何を話せばいいんだ、ていうか誰なんだと不安になったけれど、行ってみたらすごく良い人でとっても楽しかった。楽しかったのでその後もまた一緒にごはんを食べて、パリに帰ってきてからも良い人だったなぁとニコニコ思い出してしまうくらいには楽しかった。フランス人に紹介してもらったイギリスに住む日本語で文章を書く女性に、メキシコに住むフランス人を紹介してもらって、フランスに住む日本人の私が会いに行くってすごく良くないですか。これからもよくわからない出会いがたくさんあるといい。

 

そもそも綾さんとは、私に熱心なメッセージを書いてリクルートしてきたけど最終的に給与交渉で決裂して微妙な関係になってしまったスタートアップのCEOから「日本語で本を書いたすごく気が合いそうな人がいる」と紹介され、でも綾さんが英語で書いてるものを読んでも特にピンと来ず日本語を話せるからって友達になれるわけじゃないんですよと渋々Zoomで会ったら鈴木綾さんだったという出会い方をしていて、私的にはものすごく面白い出会い方なのに他の人に興奮気味に話しても「ふーん」という反応しか返ってこない。なぜ。

 

来週からいつもの島へ行って、帰ってきたら今度は日本の家族とのヨーロッパ旅行が待っているので八月は忙しい。楽しい夏の思い出たくさん作りたい。